【更新日】2025年07月08日

玄関は自宅で最も人が訪れる場所であり、まさに住宅の顔とも呼べる場所です。
その一方で、人が多く訪れる場所は、設備にとって負担がかかりやすい場所ということです。
玄関ドアも例外ではなく、知らず知らずのうちにダメージが蓄積され、交換が必要になっているかもしれません。
そこで、この記事では普段から目にしている反面、知らないことの多い玄関ドアにスポットを当てて、交換すべきサインや費用についてご紹介していきます。
玄関ドアの交換を考えているけど、大変そうなので後回しにしていた、という場合は、ぜひこの記事を参考にしてください。
玄関ドアの種類や交換のコツはもちろん、気になる費用のことまで、余さずしっかりと解説していきます。
玄関のドアを交換すべきサインとは?

それでは、最初に玄関ドアを交換すべき代表的なサインについて解説します。
玄関ドアにどのような症状が現れたら交換するべきなのでしょうか。
玄関ドアが劣化して交換が必要なサイン
玄関ドアが劣化している兆候は、主に外見と機能に現れます。
外見面での劣化のサインとは、玄関ドア本体の太陽光による日焼けなどが挙げられます。
玄関ドアは、長時間太陽光に晒されるため、紫外線による劣化が非常に進みやすいのが特徴です。
たとえば、玄関ドアの表面の色褪せや日焼けなどは、代表的な劣化の症状でしょう。
機能面では、ドアの開閉がスムーズに行えないことや、鍵が回しにくいことなどが劣化の症状として挙げられます。
特に多いのが、玄関のドアノブと鍵穴、そしてドアクローザーです。
ドアクローザーとは、ドアの上部にあるBOXとアームで構成された部品のことを指します。
ドアクローザーが劣化することで、玄関ドアの開閉がスムーズに行えなくなってしまいます。

また、玄関ドア周りのコーキングも月日と共に劣化していきます。
劣化したコーキングは弾力を失い、本来の役割を果たせなくなってしまいます。
放置することで、玄関の内側まで風や雨水が侵入してくる可能性もあります。
これらの症状が現れ始めたら、玄関ドアの交換を検討しましょう。
玄関ドアの交換が必要になる耐用年数とは

玄関ドアは複数の部品によって構成されています。
部品ごとに耐久力や利用頻度が異なるため、一概に耐用年数を計測することは困難です。
しかし、大まかな目安として以下の通りです。
玄関ドアが金属製であれば約20年から30年、木製であれば15年程度が寿命です。
また、玄関ドアを構成するパーツ類は10年から15年程度で寿命を迎えます。
つまり、住宅の購入から15年ほどが経過したら、玄関周りの手入れを考えていく必要があります。
玄関ドアを交換するメリット

それでは次に、玄関ドアを交換することで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。
代表的なメリットを順番に解説していきます。
鍵が新しくなり防犯性が高まる
最初のメリットは防犯性が高まる点です。
ドアの交換を行う際は、玄関の鍵も同時に交換となります。
空き巣の手口であるピッキングは、20年前に比べると各段に進化しているため、古い玄関ドアでは簡単に侵入されてしまう可能性があります。
ピッキングなどの手口に対抗するためには、玄関のカギを二重にするなどの対策が効果的です。
また、スマートフォンなどの利用したスマートキーやキーレスの導入を、玄関ドアの交換に合わせて導入することもおすすめです。
スマートキーは、鍵を取り出さずとも開錠できるため、両手が塞がっている場合でもスムーズに玄関に入ることができます。
このように、昨今の情勢に合わせたアップデートを行うためにも、玄関ドアの交換は非常に効果的です。
断熱性能が高まる
20年以上前の玄関ドアに比べると、現代の玄関ドアの断熱性能は非常に高くなっています。
大きな出入口である玄関は、非常に外の気温が室内に伝わりやすい部分です。
そのため、玄関ドアにはしっかりとした断熱性能が求められています。
玄関ドアを機密性が高く、断熱性能に優れたものに交換すれば玄関の結露を防止しつつ、自宅の省エネ性能も高まることでしょう。
採光性に優れる
20年前の玄関ドアとは異なり、現代の玄関ドアのデザインは非常に洗練されています。
機能とデザインが両立され、効果的に配置されたガラス部分から差し込む光が玄関を明るく照らしてくれます。
薄暗かった玄関が、ドアの交換により一気に明るくなった事に驚くかもしれません。
また、採光性を重視しつつ、非常におしゃれなデザインの玄関ドアも数多く販売されています。
自宅の印象を一気に若返らせるためにも、玄関ドアの交換はおすすめです。
風通しがよくなる
玄関は意外にも湿気やにおいがこもりやすい空間です。
気が付いたら靴などの匂いが充満し、家に入るなり嫌な気分になるかもしれません。
新しいタイプの玄関ドアは、扉を閉めたままでも外気の取り込みが可能です。
そのため、常に空気が循環し湿気やにおいがこもりやすい状態を防いでくれます。
玄関ドアの主な種類と特徴

玄関ドアには非常に多くの種類があります。
しかし、大きく分けると2つのタイプに分けられます。
それぞれ、どのような特徴があるのか簡単に解説します。
開き戸
もっとも普及しているタイプの玄関ドアが開き戸です。
扉を前後に動かして開閉させることができ、気密性に優れているのが特徴です。
開き戸を選ぶ上で重要なポイントは、左右のどちら側に開くかと、内開きか外開きかの2つです。
販売されている玄関ドアの多くが、どちらにも対応しているので、オーダーの際に自宅の仕様と間違えないようにしましょう。
左右のどちらに開くかは、右勝手・左勝手と表記されることもあります。
外側から見たときに、ドアを開閉する際の支点になる部分が右側になるものを右勝手、左側に見えるものを左勝手と呼びます。
自宅の玄関がどちらなのか覚えておくと、施工の打ち合わせがスムーズに進むでしょう。
また、扉の片方が開くものや、扉の両方が開くものなどもあります。
さらに袖と呼ばれる小窓を取り付けることで、玄関の採光性をアップさせることも可能です。
そのため、玄関周りのデザインで悩んだら、開き戸タイプがおすすめです。
引き戸
昔ながらの日本家屋に見られるタイプの玄関ドアです。
右側や左側にスライドさせて扉を開くため、玄関の前後にスペースが必要ありません。
そのため、車いすを利用している場合でも、スムーズに自宅に入ることができます。
開き戸の特徴として、開閉させる扉の枚数を増やせば人が出入りする範囲を増やすことができます。
たとえば連動引込み戸では複数の引き戸が連動して、稼働することで通常よりも大きな開口が可能です。
そのため、バリアフリーを重視する場合は、大人数の出入りがある場合には引き戸がおすすめでしょう。
玄関ドア交換の方法と流れ

実は玄関ドアの交換は、わずか1日で完了することがほとんどです。
床や壁を傷つけることもなく、騒音などの心配もありません。
玄関ドアの交換中でも、自宅への出入り以外は普段通りの生活が送れます。
玄関ドアを交換する際は、既存のドア枠を極力流用する方法が取られます。
既存のドア枠を残したまま新しいドア用の枠で覆っていくので、外壁を加工する必要もなく、スピーディーに工事を進められます。
また、既存のドア枠を残すことで撤去費用なども抑えられるため、リーズナブルに玄関ドアの交換が行えます。
既存のドア枠を新しい枠でカバーしたら新しい玄関ドアを設置し、スムーズに開閉するかなどの確認が完了すれば工事が完了します。
扉と枠の交換だけでも、玄関が見違えるような仕上がりになります。
玄関ドア交換の費用相場はどのくらい?

玄関ドアを交換するための費用は40万円から50万円ほどが相場となります。
費用の内訳としてはドア本体・新しいドアの設置費用・古いドアの撤去費用の3つが含まれます。
費用の中で特に大きな割合を占めるのは、もちろん新しいドア本体の価格です。
玄関ドア本体の値段は非常に幅が広く、25万円ほどのものから50万円以上のドアも販売されています。
そのため、玄関ドア本体の費用として30万円ほどを見込んでおけば、選択の幅が広がります。
その一方で、断熱性を向上させたり、寒冷地対応ものにしたりすれば、玄関ドア自体の値段が高いものとなってしまいます。
自宅に求める性能と、価格のバランスを考えながら玄関ドアを選ぶようにしましょう。
新しいドアの設置費用と古いドアの撤去必要は、それぞれ数万円程度となります。
そのため、2つの項目を合わせて10万円ほどと見込んでおきましょう。
つまり、玄関ドア本体の値段に10万円を加えた金額が、玄関ドア交換の費用となります。
玄関ドア交換の費用相場に不安がある場合は、複数の業者へ見積もりを取ることをおすすめします。
2社から3社程度に見積を依頼することで、値段を重視して格安や激安を売りにした業者を排除することができます。
玄関ドアは防犯上、非常に重要なポイントなので過剰に値引きをする安い業者ではなく、地域でも安心できる業者に依頼するようにしましょう。
玄関ドア交換の費用を抑えるコツ

玄関ドアを交換する際には、費用を抑えるコツがあります。
うまく取り入れることで、玄関ドアの性能はそのままで、大幅に費用を節約できるかもしれません。
実は玄関ドアの交換には、国や自治体の補助金が使える可能性があります。
国が行っている補助金事業の中で、玄関ドアが該当するものは介護や子育て、次世代省エネや長期優良化リフォームなど、幅広いものが該当します。
また、自治体が独自に行っている補助金事業もあり、玄関ドアの交換がそれらの条件にも合致する可能性があります。
お住いの自治体でどのような条件が補助金の対象となるのか、ぜひ市役所のホームページなどを確認してみてください。
価格を抑えるためのDIYは避けた方がよい
玄関ドアの交換費用を抑えるために、ホームセンターなどで購入してDIYで行うことは避けましょう。
なぜなら、慣れないDIYでの作業により玄関ドアの取り付けに失敗したり、自宅に傷をつけたりする可能性もあります。
また、玄関ドアは1日ですべての工事を完了させる必要があります。
途中まで作業を進めて、続きは明日やろう、という訳にはいきません。
玄関ドアが無いままで夜を迎えるのは、非常に心配です。
そのため、無理にDIYで取り付けようとせず、しっかりと1日で取り付けられるプロに依頼するようにしましょう。
玄関ドア交換のおすすめ施工事例をご紹介!
それでは、今回ご紹介した玄関ドアの特徴を踏まえて、おすすめの施工事例をご紹介していきます。
YKKAP ドアリモ D30 断熱ドア C03N D4仕様(木目調)
直線的なラインと正面に配置されたスリットが特徴的な玄関ドアです。
また、外気温から室内を守ってくれる断熱性能も高く、現代的な性能が網羅されています。
木目調のデザインは、洋風やモダンな住宅にマッチし、玄関を上質な空間に仕上げてくれます。
大阪府交野市の施工事例
自宅の雰囲気とキャラメルチークの色がおしゃれに馴染んだ施工事例です。
また、スマートコントロールキーが搭載されており、スマートフォンを利用した開錠や顔認証など、セキュリティ面でも安心です。
リクシル リシェント M78型 断熱仕様k4仕様(アルミ色)
非常にシンプルかつミニマルなデザインが美しい玄関ドアです。
無駄な装飾を排したデザインは、現代的な美しさを感じさせてくれます。
モダンな住宅の他にも、レンガ調の外壁の住宅にも違和感なく取り入れられます。
岐阜県大垣市の施工事例
シンプルモダンな住宅への施工事例です。
スタイリッシュな外壁の住宅に、ミニマルなデザインの玄関ドアを取り付けることで、美術館のような仕上がりが実現しました。
施工事例のように、玄関ドアと周囲の外壁を揃えることで、アート作品のようなデザインが可能です。
リクシル リシェント M83型 断熱仕様k4仕様 採風タイプ(木目調)
細部までこだわり抜かれたデザインと、高い汎用性が同居した玄関ドアです。
デザインは豊富な10種類から選べ、カジュアルなものから重厚感溢れるものまで、住宅のイメージに応じて選択できます。
また、親子開きやランマ付きなど、オプション性能の優れている点も大きな特徴です。
福島県郡山市の施工事例
シンプルなデザインの外壁と、重厚な玄関ドアが調和した施工事例です。
落ち着いた色の玄関デザインが、住宅の品格をさらに高い物にしてくれることでしょう。
ドアのスリットからは、しっかりと光も取り入れられるため、明るい玄関でお客様を迎えることができます。
リクシル リシェントD41型 断熱仕様k4仕様(木目調)
中央に配置された格子のデザインが特徴的な玄関ドアです。
クラシカルなデザインは、自宅の玄関のアクセントになってくれることでしょう。
リモコンキーなどにはしっかりと対応しているので、クラシカルなデザインと現代的なセキュリティ性能が同居した玄関ドアといえるでしょう。
山形県米沢市の施工事例
レンガ調の外壁と玄関ドアのデザインが非常にマッチした施工事例です。
外壁とドアの両方がクラシカルなデザインで統一されており、中世のお城のような印象を与えてくれます。
その一方で、防犯性や断熱性能はアップしており、家族全員が快適に暮らすことのできる仕上がりになっています。
リクシル リシェント G14型 断熱仕様k4仕様(木目調)
飽きの来ないシンプルなデザインが特徴の玄関ドアです。
毎日目にする玄関ドアだからこそ、無駄をそぎ落とした上質なデザインが重要となります。
直線的なラインでデザインと採光性を両立させた玄関ドアは、玄関の顔としておすすめの1枚です。
茨城県水戸市の施工事例
明るい色で統一されているのが特徴の施工事例です。
外壁の色のトーンと玄関ドアの色のトーンを合わせることにより、一体感のある玄関となっています。
どこか南国を思わせる印象の玄関は、自宅を訪れる人の気持ちも明るくしてくれることでしょう。
玄関ドアの交換で住宅の印象は一気に変わる
玄関ドアにも寿命があり、使っていくことで徐々に傷んでいきます。
また、玄関ドアは雨風や直射日光から室内を守ってくれる大切なドアです。
その分、消耗も激しく寿命を迎えるころにはボロボロになっていることも珍しくありません。
ボロボロになった玄関ドアは見た目の印象がよくない上に、セキュリティ面からも不安が残ります。
もし、自宅の新築や購入から20年ほど経っている、という場合はぜひ1度、玄関ドアの交換を検討してみてください。