【更新日】2024年11月05日

冬になると寒くなること以上に、雪かきや雪下ろしが大変で憂鬱な気分になってしまいます。
雪下ろしだけではなく、地域によっては雪を指定の場所まで捨てに行く必要があります。
また、車も早めに暖気運転させておかないと、フロントガラスの霜が溶けずになかなか出発できません。
車の駐車スペースにカーポートを設置している場合は、屋根と同様に雪下ろしをする必要があります。
屋根とは異なり、カーポートは人が上に登ることを想定して作られていません。
それでは、どのようにしてカーポートの雪を降ろせばよいのでしょうか?
そこで、この記事ではカーポートの冬の雪対策を徹底的に解説していきます。
カーポートの雪下ろしの方法や、どのような注意点があるのか、具体的にお伝えします。
ぜひ、カーポート周りの雪でお悩みの方は参考にしてください。
カーポートの雪下ろしのタイミング

最初に、カーポートの雪下ろしは、どのようなタイミングで行うべきか解説します。
カーポートの雪下ろしは耐積雪強度を目安にする
カーポートには、どの程度の積雪に耐えられるかの目安として「耐積雪強度」が設定されています。
耐積雪強度とは、どの程度の厚みまで雪が積もってもカーポートが耐えられるか、という値です。
たとえば、耐積雪強度が100cmであれば、カーポート上に雪が1m降り積もっても耐えられる強度が確保されています。
日本の国土の50%は最深積雪20cm以上の積雪地です。
また、積雪地の大部分が最深積雪50cm以上の豪雪地に分類されています。
そのため、地域によって耐積雪強度を確認しながらカーポートを設置する必要があります。
インターネットなどで激安のカーポートが売られていても、購入する前に耐積雪強度を確認するようにしましょう。
耐積雪強度は新雪の場合の高さ
カーポートの雪下ろしをする際の目安となる耐積雪強度ですが、実は雪の状態によって異なります。
カーポートに記載されている耐積雪強度は、ふわふわの新雪の場合。
水分を多く含んだ雪や、一度溶けて固まった粗目雪(ざらめゆき)の場合は耐積雪基準以下でも雪下ろしが必要となります。
なぜなら、粗目雪は新雪に対して水分を多く含んでいるので、3倍程度の重量があるからです。
そのため、カーポートの耐積雪強度は100cmまで耐えられるから、と待つのではなく、雪が積もりきる前に、雪下ろしを行ってください。
特に大量に雪が降ったあとに、雨などが降ると水分を吸って雪の重量が増し、カーポートの破損に繋がる場合もあります。
カーポートの雪下ろし方法

それでは次に、カーポートの雪下ろしの方法をお伝えします。
脚立を利用する
カーポートの高さによっては、上まで手が届かないこともあります。
そのため、必要であれば脚立を利用しましょう。
ただし、脚立を使う場合は地面の雪をどかして、滑らないようにしておきましょう。
また、脚立も最上部には立たず、正しい使い方で雪下ろしを行ってください。
最初に横を落として、最後に前を落とす
カーポートの雪下ろしは、横から行うのが鉄則です。
必ず、左右から雪下ろしを行い、ある程度雪が無くなったらカーポート前方の雪下ろしを行います。
なぜなら、いきなりカーポートの前から雪下ろしを始めると、積もった雪が雪崩になって落ちてくるからです。
100cmや150cmの高さに積もった雪が雪崩になって落ちてくると、大人でも埋もれてしまい、非常に危険です。
自分の安全を確保する上でも、順序を守って雪下ろしを行いましょう。
カーポートの雪下ろしに使う道具

カーポートの雪下ろしには、適切な道具選びが重要です。
家にあるもので代替するのではなく、しっかりと雪下ろし専用のものを使いましょう。
金属製の道具は使わない
カーポートの雪下ろしに金属製の道具を使ってはいけません。
なぜなら、金属製の道具を使うとカーポートの塗装が傷ついてしまい、そこから腐食していくからです。
また、ポリカーボネート製の屋根でも、金属製のスコップなどを使うと傷がついてしまうこともあります。
ポリカーボネート製の屋根は透明なので、傷が多いと下から見上げたときに気になってしまいます。
大切なカーポートを守るためにも、雪下ろしに金属製の道具は使わないでください。
雪下ろし棒
カーポートの雪下ろしを行う場合は、ホームセンターなどで販売されている雪下ろし棒を使ってください。
雪下ろし棒は、途中が「く」の字型に曲がって雪を落としやすいものや、アルミ製の軽量なものなど、さまざまな種類があります。
年齢や性別、体力などを踏まえて扱いやすい雪下ろし棒を用意しましょう。
雪庇切り(せっぴきり)
雪庇とは、家の軒から外にはみ出して垂れ下がっている雪のこと。
雪庇切りは、今にも落ちてきそうな雪を効率的に切り落とすための道具です。
カーポートでも必要に応じて雪庇切りを使って、危険な雪を取り除いておきましょう。
また、雪庇切りはつらら落としとしても使えます。
大きなつららが落下してくると危険なので、雪庇と同様にあらかじめ取り除いておきましょう。
カーポートの雪下ろしを行う際の注意点

道具の用意が整ったら、カーポートの雪下ろしを行いましょう。
ただし、雪下ろしは危険な作業なので、以下の注意点を守って行ってください。
カーポートの上に乗らない
カーポートの上に乗って雪下ろしを行わないでください。
カーポートは積雪には耐えられますが、人が乗ることを想定して作られていません。
部分的に人間の体重が60kg~80kg程度かかると、破損したりフレームが折れたりする可能性があります。
また、屋根上での作業はプロの職人が行っても危険が伴います。
一般人が専用の装備がない状態でカーポートなどの上に登るのは非常に危険です。
必ず、カーポートの雪下ろしは地上から行うようにしてください。
お湯や水をかけない
カーポートの雪下ろしが面倒だからといって、雪に水やお湯をかけないでください。
雪が水を吸って重量が一気に重くなり、最悪の場合はカーポートが倒壊する危険性もあります。
また、かけられた水が凍ってしまい、雪と一体になることでカーポートにこびりついてしまい、簡単に下せなくなってしまうことも。
水ではなく、お湯をかけた場合も同様です。
お湯をかけた部分の雪は解けますが、すぐに冷えてしまい、水になってしまいます。
カーポートの雪下ろしは、地道に雪下ろし棒で行ってください。
融雪剤は使わない
水やお湯と同様に、カーポートに融雪剤を撒かないでください。
融雪剤には塩化カルシウムが多く含まれており、カーポートの金属部分や車に付着することで、サビの原因となります。
わずかな塗装の傷でも、融雪剤が混じった水が付着すると、そこからサビ始めます。
大切な車やカーポートのためにも、融雪剤を使わずに雪下ろしを行いましょう。
1人で雪下ろしをしない
カーポートに限らず、雪下ろしは1人で行わないようにしましょう。
なぜなら、雪の落下により生き埋めになってしまった場合でも、もう1人が救助活動やレスキューへの連絡が行えるからです。
また、1人よりも2人で作業した方が効率的にカーポートの雪下ろしが終えられます。
屋根に比べると積もっている雪の量は少ないですが、万が一のためにも2人以上で雪下ろしを行うようにしましょう。
さらに、雪下ろしをする際には、滑りにくい靴を履くことはもちろん、手袋や帽子などの防寒対策も忘れずに行いましょう。
手足が冷えて感覚が鈍くなると、思わぬ事故に繋がる可能性があります。
また、雪下ろしを行う時間帯にも注意が必要です。
早朝や深夜は避け、明るい日中に作業を行うのがおすすめです。
無理をしない
体力に自信のない場合や積雪が多い場合には、無理をせず専門業者へ依頼することも1つの方法です。
プロに任せることで、安全かつ効率的に雪下ろしを行ってくれます。
費用が発生してしまいますが、住宅の屋根などと一緒に雪下ろしをしてくれるので非常に安全です。
雪下ろしは大きな事故に繋がるこおともあるので、安全第一を心掛けて作業をおこなってください。
カーポートの雪対策

カーポートへの雪対策には、どのようなものがあるのでしょうか?
後から追加できる対策もありますが、カーポートを設置する際に一緒に済ませてしまうのが一番効率的です。
ワンランク上の耐積雪量のものを選ぶ
カーポートに表示されている耐積雪強度のランクを1つ上げておくのが、雪対策としては非常に有効です。
なぜなら、2014年には日本全国で大雪が観測され、関東平野部でも30cmから80cmの積雪が記録されています。
そのため、日本各地でカーポートの倒壊が報告されていました。
100年に1度の災害といわれているように、いつ、どの程度の雪が降るのか、正確に予想する方法はありません。
そのため、現在お住まいの地域の積雪量から、ワンランク上の耐積雪強度を持つカーポートの購入をおすすめします。
オプションで補強をする
カーポートの種類によっては、オプションの追加でさらに補強が可能です。
強度の向上以外にも、カーポートから一気に雪が落下するのを防いだり、凍結により雨樋が詰まらないように口径の大きなものに変えたりすることができます。
オプションの優れている点は、脱着が可能だということ。
必要なときに取り付けて、不要になったら取り外せます。
そのため、車の出し入れはスムーズに行いたいけれど、カーポートの強度も欲しい、という場合におすすめです。
ただし、最初から高い耐積雪強度を想定しているカーポートには敵わないので注意してください。
設置場所に注意する
カーポートの設置場所を、住宅の屋根の近くにしていませんか?
それぞれの距離が近すぎると、住宅の屋根から落ちた雪がカーポートの上に乗ってしまう可能性があります。
また、屋根から勢いよく落ちた雪がカーポートを破損させてしまうことも。
そのため、カーポートを設置する際は車の出し入れだけではなく、屋根からの落雪も考慮に入れましょう。
積雪に強いカーポート5選と施工事例
それでは、今までお伝えしてきたポイントを踏まえて、積雪に強いカーポートと実際の施工例をご紹介していきます。
特に施工例は実際に設置した雰囲気が見られるので、ぜひ参考にしてください。
カーポートSW 積雪50cm対応 2台用 間口延長 4本柱

雪以外にも、耐風圧性能に優れたカーポートです。
耐風圧強度46m/秒相当の、業界最高水準の強度が標準装備されており、豪雪地帯以外にも台風の多い地域にもおすすめです。
間口延長タイプなので、車以外にも自転車やバイクの雨除けにもなり、抜群の使い勝手を誇ります。

岩手県北上市の施工事例
優れた耐久性と同時に高いデザイン性を有しているので、ラグジュアリーなガレージに仕上げることが可能です。
駐車スペースだけではなく、周辺にも屋根が張り出しているので車から降りる際に、雨が降っていても慌てて傘を出す必要もありません。
積雪地域向けのカーポートですが、雪のこと以外も、しっかりと考えられており、安心感があります。
エフルージュ 3000タイプ 2台用 積雪100cm対応

フラットなデザインで、幅広い住宅に調和しやすいのが特徴のカーポートです。
100cmまでの積雪に対応しており、多雪地帯でも利用可能です。
余裕を持って2台の車を駐車できるスペースが確保されているのも見逃せません。
新潟県新潟市の施工事例

カーポートを設置する際に、玄関からの動線を考慮しており、荒天の際にも安心して車に乗れます。
また、車から家に帰る際も濡れる心配がありません。
デザインも住宅の雰囲気にマッチしており、一体感のある仕上がりになっています。
ソルディーポート 積雪100cm対応 1台用

ポリカーボネートを屋根に使うことで、耐久性と採光性に優れたカーポート。
100cmまでの積雪に対応しており、幅広い地域で設置が可能です。
コンパクトな1台用なので、設置するスペースにも困りません。
山梨県南都留郡山中湖村の施工事例

耐久性だけではなく、ソルディーボードの高い意匠性により、住宅と調和した仕上がりの施工事例です。
耐久性を重視したカーポートは、ガッシリとした印象になりがちですが、ソルディーボードはシンプルなデザインで、住宅全体の印象を損ねません。
採光性に優れているので、カーポートの下が暗くならない点も見逃せません。
ジーポートPro 積雪200cm対応 2台用 間口延長 6本柱

最大で200cmまでの積雪に対応しているカーポートです。
200cmもの積雪に耐えられる耐久性と、高級感のあるデザインが大きな特徴でしょう。
また、間口延長タイプなので、車の入出庫の際にも柱が邪魔になりません。
新潟県東蒲原郡阿賀町の施工事例

カーポートにサイドパネルを追加し、雨の吹き込みや直射日光を防いでいる施工事例です。
ポリカーボネート製のサイドパネルにより、外部からの飛来物を防ぐ一方で、日光はしっかりと取り入れるので、カーポート内が暗くなることはありません。
カーポートST 積雪200cm対応 8本柱

200cmの積雪に対応した耐久性と、フラットな屋根により住宅のデザインを選ばず設置できる意匠性の高いカーポートです。
見た目のデザインだけではなく、柱の位置も車の乗降の際に邪魔にならないように、配慮されているのも特徴でしょう。
強度や価格に加えデザイン面にも優れている、これからのベーシックカーポートです。
北海道札幌市の施工事例

住宅の外構と統一感のある仕上がりが特徴の施工事例です。
白を基調とした洋風の住宅に対して、カーポートSTが違和感なく溶け込んでいます。
花壇や塀とも調和しており、住宅の外観を損ねることなく収まっています。
まとめ
カーポートの雪下ろしには、適切な道具の使用が欠かせません。
また、カーポートの上には上らず、地上から雪下ろしをしなければなりません。
カーポートの積雪対応が50cmだったとしても、降っている雪の状態によって、カーポートに掛かる重量は大きく異なります。
そのため、油断していると大切なカーポートや車が破損してしまうことも。
そのようなことがないように、雪が降り始めたら適切なタイミングでカーポートの雪下ろしや周辺の雪かきを行いましょう。
雪下ろしを行う場合は、必ず大人が2人以上で行うことも重要です。
カーポートの上に載っている雪がすべて、雪崩のように落ちてくる危険性があるからです。
その場合、残った1人が現場からの救助やレスキュー隊への連絡を行います。
カーポートを購入する際は、ついサイズやデザインを重視してしまいますが、お住いの地域によっては対積雪用の製品も考えてみてください。
もし、お住いの地域にどの程度の雪が降るのかイメージできない場合は、ぜひエクスショップまでお問合せください。
エクスショップでは日本全国へ、無料で出張見積もり対応を行っています。
実際の現地で自宅を見ながら担当者と話すことにより、カーポートの有無やデザインについて検討できるようになります。
もし、カーポートの設置でお悩みであれば、ぜひエクスショップまでご相談ください。