【更新日】2025年03月04日

夏の暑さが年々強くなると共に、台風や大雪など気象条件は厳しくなりつつあります。
暑い日に車へ乗るとサウナのようになっていることや、雨の日には車に乗るまでに、ずぶ濡れになることも珍しくありません。
そこで、車に乗るまでの問題を解決する方法として、カーポートの設置がおすすめです。
カーポートにも様々な種類がありますが、特におすすめしたいものが屋根に「ポリカーボネート」を使ったものです。
ポリカーボネートはカーポートの屋根材として最適と言われており、非常に注目されています。
この記事ではポリカーボネート製カーポートに焦点を当て、特徴や他の素材との違いを解説します。
また、エクスショップで実際に施工したポリカーボネート製カーポートの事例もご紹介していきます。
カタログの写真とは異なり、現地で撮影された実物の写真は必見です。
ぜひ、最後まで記事を読んで、自宅にポリカーボネート製カーポートを設置する際の参考にしてください。
カーポート屋根材「ポリカーボネート」とは

ポリカーボネートとは、樹脂を原料としたプラスチック素材です。
様々な特性があることから近年では自転車のヘルメットやスマートフォンのスクリーン、医療や自動車などで、使用目的に合わせたサイズや厚みのバリエーションなどが注目されています。
ポリカーボネートの最大の特長は、透明度が非常に高い点です。
樹脂製品全体を見渡しても上位の透明度を誇り、ガラスと同程度ともいわれています。
幅広い分野で取り入れられているポリカーボネートですが、外構製品として使われているものは大きく2種類に分けられます。
1つ目は平板と呼ばれ、ガラス板のように平らな状態になっています。
平板は選べるポリカーボネートの種類が豊富で、屋根に限らず住宅の幅広い場所で使える汎用性の高さが強みです。
もう1つの種類は波板と呼ばれるポリカーボネートです。
波板は文字通り、断面が波を打っているような見た目になっており、平板に比べると強度面に優れています。
波を打っている板の形状から雨水が流れ落ちやすく、特に屋根材として取り入れられています。
しかし、波板はカーポートのデザイン性が限定されてしまう点を理解しておきましょう。
カーポート屋根材「ポリカーボネート」の特徴

それでは、ポリカーボネート製のカーポートには、どのような特徴があるのでしょうか?
大きく3つに分けてご紹介していきます。
衝撃に強い
1つ目の特長は、衝撃に強い点であり、その耐候性と耐用年数がしっかり保証されている点です。
ポリカーボネートは防弾ガラスなどにも使われており、その強度はアクリル板の30倍、ガラスの200倍とも言われています。
その耐衝撃性の強さはプラスチック系素材の中でもトップクラスです。
ポリカーボネート製のカーポートを設置すれば、雹(ひょう)や強風による飛来物があっても簡単には屋根が壊れることはありません。
紫外線をカットしてくれる
外構商品として使われているポリカーボネートは、紫外線を100%近くカットしてくれる特性があります。
紫外線が車に当たると、塗装表層のクリアー層が劣化していき、チョーキング現象が起こるようになります。
チョーキングとは、色の元となる分子の結合が紫外線によって破壊され、塗装表面に白い粉となって付着する現象です。
チョーキング現象は劣化の第一歩とされており、放置することで劣化が更に進んでしまいます。
そのため、車の塗料を守るためには、出来るだけ紫外線に当たる時間を短くするのがポイントです。
ポリカーボネート製カーポートなら紫外線をカットしてくれるため、塗装面が劣化するのを抑制してくれます。
透明性が高いので駐車場が暗くなりにくい
ポリカーボネート製カーポートは透明性が高いので、紫外線をカットしつつ日光の明るさを届けてくれます。
たとえば、金属製のカーポートの屋根では日の光をさえぎってしまうため、どうしても駐車場が暗くなってしまいます。
しかし、透明性の高いカーポートであれば屋根があっても、日の光を通すので駐車場が暗くなることを防いでくれます。
反対にプライバシーの問題から、ある程度の目隠しをしたい場合でも、ポリカーボネートが対応できます。
ポリカーボネート製カーポートには天井の色が選べるものが多く、ブラウンやブルーに加え、スモークが掛かったものもあります。
好みやカーポートを設置する環境に応じて、屋根の色が選べるのもポリカーボネートの強みでしょう。
カーポート屋根材「ポリカーボネート」の価格について

ポリカーボネートは優れた素材であるにも関わらず、価格の面でも他の素材に負けません。
たとえば、エクスショップで取り扱っているポリカーボネート製カーポートは、工事費用込みで10万円ほどのものがあります。
もちろん、価格が安いからと言ってチープなデザインだったり、耐久性が著しく低かったりすることはありません。
その他にも車を2台駐車できる広さを持つものや、デザイン性に優れたものなど、カーポートには非常に多くの種類があります。
そのため、ポリカーボネート製カーポートの購入予算は、工事費用込みで30万円~50万円程度を想定しておくのがおすすめです。
エクスショップではカーポートのタイプ別や価格帯別の検索が可能なので、予算に応じたカーポートを簡単に検索できます。
ぜひ、予算に応じたカーポート選びに役立ててください。
ポリカーボネート製カーポートの耐用年数

ポリカーボネート製カーポートの耐用年数は約10年です。
耐用年数が過ぎて劣化したカーポートは耐久力が低下するため、破損する可能性が高まるので早めの交換が必要です。
カーポートは屋根部分だけを取り外せる構造なので、古いポリカーボネートを新しいものに交換するだけで作業が完了します。
支柱部分などは、そのまま使い続けられるのでカーポートを設置するときのような費用はかかりません。
屋根材の交換費用は、設置されているカーポートやポリカーボネートの種類によって異なります。
エクスショップでは、現地を訪問したうえで見積りを行うサービスを無料で行っています。
具体的な交換費用が知りたい場合は、ぜひご依頼ください。
ポリカーボネートとその他の素材の違い

ポリカーボネートは他の素材と比べ、屋根用素材として優れた特徴を持っています。
なぜ、ポリカーボネートが屋根用素材として注目されているのか、3つのポイントから解説します。
熱の遮断や吸収を行う加工が可能
カーポートの屋根用ポリカーボネートには、熱の遮断や吸収を行う加工が可能です。
これらの加工を行うことで、カーポートの下に駐車してある車の中が熱くなることを防いでくれます。
また、紫外線のカット率も一般的なポリカーボネートと同様に、ほぼ100%を維持しています。
そのため、夏の直射日光による温度上昇と、紫外線による車の塗装へのダメージを避けたい場合はおすすめの素材です。
エクスショップでは、具体的にどの程度の遮熱性能があるのか、過去に実験を行ったことがあります。
ポリカーボネートの遮熱性能を詳しく知りたい場合は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
カーポート・テラス屋根材の遮熱能力は?実力調査【実証実験・YKKAP】
スピーディーな施工が可能
加工のしやすさも、ポリカーボネートの強みです。
軽量で取り回しやすく加工が容易なため、スピーディーな施工が可能になります。
なぜなら、ポリカーボネートは比較的柔らかい素材なので、ちょっとした加工なら大きな機械が不要だからです。
そのため、カーポートを設置する場所の寸法に応じて、現地で屋根のサイズを調整する切り詰め加工も、他の素材に比べると簡単に行えます。
たとえば、敷地の都合上で既製品が使用できない場合でも、切り詰め加工によってカーポートの屋根サイズを調節すれば設置可能な場合もあります。
このような加工がスピーディーに行える点も、ポリカーボネートの優れた特徴でしょう。
施工がスピーディーに終われば人件費もかからないので、結果として施工費用の節約につながります。
ポリカーボネートは自己消火性を持つ
他のプラスチック製品が可燃性なのに対し、ポリカーボネートは自己消火性を持っています。
自己消火性とは、火元から離れれば自然に消火する性質のことです。
万が一、近隣で火災が起きたとしても、ポリカーボネート製カーポートから延焼することは考えにくいでしょう。
ポリカーボネートがカーポートの屋根材に最適な理由

ポリカーボネートがカーポートの屋根材として最適な理由は、2つあります。
どのような理由なのか、分かりやすく説明していきます。
簡単なメンテナンスでカーポートを綺麗に保てる
ポリカーボネート製のカーポートは、簡単なメンテナンスで美しい状態が保てます。
衝撃や気温の変化にも強いので、ポリカーボネート製カーポートが簡単に壊れることはありません。
簡単に壊れないからこそ安心して、カーポートを耐用年数まで使うことができます。
ポリカーボネート製カーポートの日常的なメンテナンスは、屋根の上の落ち葉を取り除いたり、汚れをさっと水で落としたりする程度で十分です。
掃除をする際には金属製器具は使わず、やわらかいモップのようなものを使うと、屋根に傷が付きにくく安全に作業が行えます。
屋根以外では雨どいにゴミが溜まってきたら、取り除くようにしましょう。
カーポートの下が暗くなりにくい
ポリカーボネートは日光ごと紫外線や熱を遮断するのではなく、紫外線や熱「だけ」を遮断可能である点がポイントです。
さらに、加工の種類によっては熱も遮断してくれるので、カーポートの下が暗くなることを避けつつ、車内の温度上昇が避けられます。
明るさの確保と熱の遮断を両立しているポリカーボネートは、非常に理想的なカーポートの屋根用素材といえるでしょう。
一般的なカーポートは駐車場と自宅との距離が近い場合、室内に取り入れたい日光までさえぎってしまうことがあります。
しかし、ポリカーボネート製カーポートなら、しっかりと日光を届けてくれるので室内が暗くなる可能性が避けられるでしょう。
ポリカーボネート製カーポートの注意点

様々なメリットを持つカーポートですが、注意すべき点もあります。
ポリカーボネート製カーポートを設置する場合に、注意しておきたいポイントを3つ、お伝えします。
溶剤には弱いので注意が必要
非常に耐久力のあるポリカーボネートですが、有機溶剤に弱いという弱点があります。
有機溶剤とは主に清掃や塗装関係の仕事で使われる薬剤です。
日常生活で有機溶剤がカーポートに触れる機会は少ないかもしれませんが、注意が必要です。
ポリカーボネートに有機溶剤が触れると、細かなクラックや白化などの変化が起こる可能性があります。
目立った変化が起こらなかったとしても、後で変色が起きることや強度の低下を招く場合があります。
そのため、ポリカーボネート製カーポートを清掃する際は、できるだけ洗剤などは使わないようにしましょう。
どうしても洗剤を使う必要がある場合は、薄めた中性洗剤がおすすめです。
積雪の多い地域は要注意
耐久力に優れたポリカーボネート製カーポートでも、一定以上の積雪には耐えられません。
特に200cm前後の積雪が予想される地域では、スチールやアルミの骨組みは耐えられても、ポリカーボネート製の屋根では強度不足です。
そのため、非常に積雪の多い地域ではポリカーボネートの使用はあきらめ、スチール製の屋根をおすすめします。
カーポートに記載されている積雪量とは、新雪が降り積もった場合の想定です。
水分を多く含んだベタ雪や、何日も雪が降り積もった状態では200cmに達する前に破損する可能性があるので注意してください。
diyはおすすめできない
カーポートの設置には、diyはおすすめできません。
なぜなら、カーポートの設置には非常に高い技術や知識が要求されるからです。
ポリカーボネート自体は軽量でも、カーポートの骨組みとなる金属は非常に重量があります。
また、カーポートの骨組みとなる柱を設置する際に、自宅に埋設されているガス管や水道管を避けて工事をしなければなりません。
これらの判断や工事をプロの職人以外は行うことは現実的ではありません。
もし、工事費用の節約を目的としてdiyで設置を行おうとしているのであれば、おすすめできません。
節約をするのであれば、カーポートのグレードを落としたり、サイズを縮小したりする方が効果的でしょう。
ポリカーボネートを使用したカーポートの施工事例5選
ポリカーボネート製カーポートは優れた性能とデザイン性の高さにより、様々な施工事例があります。
エクスショップが施工した事例と商品をご紹介するので、カタログの写真だけではなく、実際の雰囲気も確認してみてください。
ネスカF (フラットスタイル)

直線的なデザインが特徴の1台用カーポートです。
シンプルなデザインなので、どのような住宅にも違和感なく設置できます。
プライバシーを重視する場合には、屋根材に全光線透過率0%のブラックマットカラーがおすすめです。
千葉県流山市の施工事例

モダンな住宅とフラットなカーポートが調和した施工事例です。
駐車スペースとカーポートの色を揃えることで、統一感のある仕上がりが実現します。
ネスカFは片側支柱のカーポートなので、住宅の外観を損ねることなくカーポートの設置が可能です。
マイポートNext 木目調タイプ
後方に支柱が集中し、高いデザイン性を持つカーポートです。
前と左右が解放されているので非常に解放感があり、スムーズな駐車が行えます。
また、木目調のカラーが冷たい印象になりがちなカーポートを、優しい雰囲気に変えてくれます。
兵庫県明石市の施工事例

シックな住宅と木目デザインのカーポートが調和した施工事例です。
住宅や車が落ち着いた色で統一されており、そこに大人っぽい色の木目がアクセントを加えています。
エクステリアは1つのアイテムだけで考えるのではなく、住宅とのデザインのバランスが非常に重要であることが分かる事例といえるでしょう。
ソリッドポート

ソリッドポートはエクスショップオリジナルのカーポートです。
シャープかつスタイリッシュなデザインと、解放感のある構造を強みとしています。
また、サイドパネルなどのオプション性能にも優れており、施工場所の環境に応じたカスタマイズが可能です。
大阪府東大阪市の施工事例

直線的なデザインの住宅とシャープなカーポートが、統一感を与えてくれる施工事例です。
エクステリアの色が統一されているので、住宅全体が非常に落ち着いた印象を与えてくれます。
また、支柱も敷地の外側に寄せられているので視覚的にもデザインを邪魔せず、車のスムーズな入出庫が可能です。
ネスカR (ラウンドスタイル)

優しくカーブした屋根が特徴のカーポートです。
柔らかいアーチ状の屋根が、住宅の印象も優しいものにしてくれることでしょう。
温かみと解放感のある駐車空間が欲しい、という場合におすすめのカーポートです。
宮城県気仙沼市の施工事例

バイクや道具を置くためのスペースとして、カーポートを利用した施工事例です。
カーポートは駐車場に屋根を付けるためのものですが、施工事例のように簡易的なガレージとしても使用可能です。
倉庫の前などに設置することで、直射日光を気にせず作業が行える場所を自宅に設けることができます。
アリュース 600タイプ 1台用

YKK AP製の非常にシンプルなデザインのアーチ型カーポートです。
カーポートのすっきりとしたデザインは、現代的な住宅と調和し後付け感のない取り付けが可能です。
また、スピーディーな施工が可能なので、コストパフォーマンスに優れている点も見逃せません。
兵庫県高砂市の施工事例

車の駐車スペースだけではなく、自転車の駐輪場と洗濯物を干す場所の屋根としての施工事例です。
住宅に寄り添って設置しているので、多少の雨では洗濯物が濡れる心配はありません。
一般的なカーポートの高さが260cmなのに対し、こちらの事例では280cmの高さを採用しています。
そのため、圧迫感のない仕上がりになっている点も見逃せません。
デザイン性に優れたカーポートならポリカーボネート製がおすすめ
ポリカーボネートは耐久性に優れ、メンテナンスの手間もかからないため、カーポートの屋根材として理想的です。
特に紫外線をカットしつつ、カーポートの下が暗くならない点は、注目すべきポイントでしょう。
「解放感とデザイン性を重視したカーポートが欲しい」という場合は、ぜひポリカーボネート製カーポートの購入を検討してください。