【更新日】2025年06月10日

自宅の目立つ部分に駐車場があるなら、土間コンクリートの施工がおすすめです。
なぜなら、土間コンクリートには費用をかけてでも行うべき様々なメリットがあり、駐車場の地面としては最も優れているからです。
車の出入りを考えて、自宅の道路に面している場所が駐車場となることも多いはず。
人目に触れやすい駐車場が荒れていれば、自宅の印象まで悪くなってしまいます。
そこで、この記事では自宅の駐車場をすっきりとした印象にしてくれる、土間コンクリートについて解説していきます。
さらに、土間コンクリートの施工を行う上で気になる費用や注意点についても、詳しくお伝えします。
実際の施工事例の写真を元に、どのような点が外観や費用のポイントとなるのかご紹介していきます。
ぜひ、最後まで記事を読んで土間コンクリートの施工費用や注意点などの、気になる悩みを解消してください。
土間コンクリートって何?

土間コンクリートとは、地面の上に細かく砕かれた砕石を10cmほど敷き、その上をコンクリートでさらに10cm覆ったものです。
新築住宅で土間コンクリートを施工する場合、一定の強度を確保するためには20cm程度の高さが必要となるため、地面を掘り下げる必要があります。
また、ひび割れ防止や強度の向上のために、コンクリート内にはメッシュ状に溶接された鉄筋が組み込まれています。
コンクリートのシンプルな表情は、駐車場だけでなく、玄関へのアプローチや犬走り、裏口周りへの施工にも適しています。
一方で、一面がコンクリートだけでは味気ないと感じる場合は、他の素材と組み合わせることでオリジナリティのあるエクステリアを楽しむことができます。
例えば、レンガやタイル、天然石を組み合わせることで、見た目に変化を持たせることが可能です。
また、最近では透水性コンクリートの使用も注目されています。
透水性コンクリートは雨水を地面に浸透させることができるため、環境に優しい選択肢として人気があります。
透水性コンクリートの費用は、通常のコンクリートよりも高めですが、長期的な環境配慮の観点から選ばれることが増えています。
このように、自宅にこだわりのある方にこそ、デザイン性と機能性を兼ね備えた土間コンクリートの施工が非常におすすめです。
施工前には、使用目的やデザインイメージをしっかりと考え、信頼できる業者に相談することで理想的な駐車場が完成することでしょう。
駐車に土間コンクリートを施工する際の費用は?

土間コンクリートの施工費用は、現場の状況で変動しますが、一般的には1㎡辺り10,000円~15,000円が目安となります。
費用が変動する要因としては、使用するコンクリートの種類や厚さ、資材の価格や廃棄物の処分料、工事期間、施工面積、地盤の状態などが挙げられます。
住宅は1軒ごとに状況が異なるため、必要な資材の単価も異なり、完全に同じ費用での施工は困難です。
そのため土間コンクリートの費用の概算は、ある程度の幅を持った算出とならざるを得ません。
たとえば、駐車場やガレージの土間コンクリート施工では、耐久性のある厚めのコンクリートが求められることが多く、その分費用が増加する可能性があります。
また、地域によっては施工業者の費用設定や交通費等も費用に影響を与えることがあります。
特に、都市部と地方では人件費などの費用面で差が生まれるケースもあるため、地域の特性を考慮する必要があります。
正確な費用の算出が必要な場合は、工務店や専門の施工業者などのプロへ現地調査と見積を依頼するのが確実です。
見積もりを依頼する際には、複数の業者から相見積もりを取ることで、最適な費用とサービス内容を比較検討することできるでしょう。
駐車場に土間コンクリート施工をするメリット

それでは、駐車場に土間コンクリートを施工すると、どのようなメリットがあるのか具体的に解説していきます。
エクステリアの手入れがしやすく追加費用が発生しにくい
駐車場を土間コンクリートにする大きなメリットが、手入れのしさすさです。
土間コンクリートは雑草が生えてくる心配もなく、砂利敷きのように定期的な小石の補充などが不要です。
耐久性も非常に高いため、一度施工してしまえば頻繁にメンテナンスを行う必要はありません。
車の出入りに伴う破損や摩耗も極めて少ないので、完成直後の美しい状態が長期に渡って楽しめるでしょう。
普段の掃除も非常に簡単です。
定期的に掃き掃除を行い、汚れが気になる場合はブラシを使って水洗いをするか、アルカリ性洗剤や重曹などを用いて汚れを洗い落とせます。
このように、土間コンクリートはきれいな状態を維持しやすく、汚れてしまった場合でも簡単に清掃が行える点もメリットでしょう。
駐車場に人工芝やアスファルトを使用しており、日々のメンテナンスに悩まされている場合は、土間コンクリートへの変更がおすすめです。
車が汚れにくくなる
土間コンクリートは完全に地面が舗装されているので、雨が降っても下がぬかるむことがありません。
そのため、車が入出庫をする際の泥はねを心配する必要もないでしょう。
また、タイヤに踏まれた小石が跳ねて、車体を傷つける心配も少なくなります。
自家用車の色が泥汚れや傷が目立ちやすい白などの原色系の場合は、土間コンクリートの効果が実感しやすいでしょう。
水はけがよい
土間コンクリートを施工すると、水はけが非常によくなる点も大きなメリットです。
駐車場の水はけが悪いと、カビやコケが繁殖しやすくなることに加え、コンクリートの表面が汚れる原因ともなります。
更に水はけが悪いと周辺の湿度も高くなり、害虫が発生しやすくなるため注意が必要です。
土間コンクリートにすることで水はけがよくなる理由は、施工時にわずかな傾斜をつけるからです。
傾斜をつけることで水が排水溝へ流れ込みやすくなり、駐車場内に水が溜まりにくくなるのがポイントです。
また、施工に使うコンクリートを透水性のあるものにすることでも、水はけがよくなります。
このように、土間コンクリートには水はけを良くする様々な方法があるため、近年増加しているゲリラ豪雨に見舞われたとしても駐車場が池のような状態になることを防げるでしょう。
バリアフリーな環境が提供できる
駐車場を土間コンクリートにすることで、バリアフリーな環境も提供しやすくなります。
なぜなら、土間コンクリートは非常に平坦で凹凸が生じにくい特徴があるからです。
凹凸がないので躓くこともなく、車いすなどでも楽に移動できます。
また、駐車場から住宅の玄関へのアプローチも、土間コンクリートなら容易に設けられます。
土間コンクリートを施工する過程で車いす用のスロープを設ければ、駐車場と住宅の間に多少の段差があっても解消できるでしょう。
平均寿命が80歳を超える現代の日本において、老後も無理なく活動できる家づくりとして、土間コンクリートは非常におすすめです。
土間コンクリート施工時の注意点

様々なメリットがある一方で、土間コンクリートを施工する際には注意点もあります。
どのような注意点があるのか、順番に解説していきます。
費用が高額になる
土間コンクリートを施工するに、もっとも注意すべき部分は費用が高額になる点です。
土間コンクリートの施工費用は10,000円~15,000円前後であることに対して、砂利敷きの場合は2,000円~7,000円程度が相場です。
最大で7倍近くも費用に開きがあるため、場合によっては資金計画の見直しが必要になることもあるでしょう。
その一方で、駐車場を砂利敷きにする場合は、定期的な砂利の補充などが必要となります。
また、アスファルトで舗装する方法と比べても、耐久性に大きな違いがあります。
メンテナンスに大きな手間がかからず、耐久性に富んだ土間コンクリートは、初期費用こそ高くなってしまいますが、長い目でみればメリットの多い施工方法と言えるでしょう。
駐車場を土間コンクリートにする場合は、事前に費用を多めに用意しておいたり、早めに専門業者に見積をとったりするなどの対策をしておくことをおすすめします。
土間コンクリートにひび割れが発生するリスクがある
非常に耐久性に優れている土間コンクリートですが、場合によってはひび割れなどを起こすことがあります。
土間コンクリートがひび割れを起こす主な原因は以下の3つが考えられます。
膨張と収縮
施工当時は水気を含んでいたコンクリートですが、時間経過共に水分が蒸発し、徐々に乾燥していきます。
乾燥していく過程でコンクリートの体積が収縮し、ひび割れが発生する場合があります。
また、気温の変化によっても、コンクリートの体積は変化します。
気温が高ければ膨張し、気温が低下すれば縮小します。
寒暖差が大きければ、体積が変化する割合も大きくなり、ひび割れの原因となります。
さらに、気温の低下によりコンクリート内部の水分が凍結し、体積が増すこともひび割れの原因となりえます。
地盤沈下
地盤の沈下によっても、土間コンクリートにひび割れが発生するケースがあります。
たとえば、敷地の一部分だけが地盤沈下した場合、土間コンクリートに掛かる力が不均一になると、ひび割れが生じます。
大きな地震や大雨の際に生じるケースが多いため、心当たりがある場合は早急な対応が必要となります。
化学反応
コンクリートの内部に埋め込まれている鉄筋が、空気と触れることで化学変化を起こし、ひび割れの原因となる場合があります。
鉄筋が化学変化を起こすことで錆びが発生し、膨張することがあります。
鉄筋が膨張することで、周囲のコンクリートに負担がかかり、ひび割れが起こります。
ひび割れを見つけたら
ひび割れを放置すると、そこから水分などがコンクリート内部に浸透し、強度や耐久性を低下させる原因となります。
ひび割れを見つけたら、できるだけ早く補修することをおすすめします。
軽微なひび割れであれば、市販のコンクリート用補修材などで対応が可能です。
市販の補修材での対応が難しい場合は、専門業者へ依頼して早めに補修をすることが重要です。
タイヤの跡が残るようになる
土間コンクリートの 3つ目の注意点としては、タイヤの跡が地面に残るようになることです。
様々な理由により、タイヤの黒い色が土間コンクリートに付着し、徐々に汚れていきます。
そのため、タイヤの跡がつかない砂利敷きや人工芝などから、土間コンクリートへ切り替えた場合は注意しておきましょう。
タイヤの跡が土間コンクリートに残る原因は、主に摩擦と気温です。
一見したところ、なめらかな土間コンクリートですが、実際はヤスリのように細かな凹凸があります。
車のタイヤが土間コンクリートの凹凸で擦られることで、黒い色が地面に残ってしまうのが、汚れの原因です。
車が停車中にハンドルを切る「据え切り」を行うと、タイヤに大きな負荷がかかり、さらに土間コンクリートが汚れやすくなってしまうでしょう。
また、周囲の気温が高い場合も、タイヤの色がコンクリート表面に移りやすくなります。
特に夏は気温と共に、タイヤの表面温度が上昇しやすくなるので、注意が必要でしょう。
なぜなら、熱せられたことでタイヤの主成分であるゴムの黒い色が浮き上がり、地面に付着しやすくなるからです。
土間コンクリートに付着したタイヤの色は、早めにデッキブラシや高圧洗浄機で洗い流しましょう。
コンクリートに付いた汚れを長期に渡って放置しておくと、色がこびりついてしまい、簡単には落とせなくなってしまいます。
その状態から元の綺麗なコンクリートへ戻すには、大きな手間や費用が発生する可能性もあります。
駐車場の土間コンクリート工事とカーポートの施工事例
それでは、カーポートの事例を通して、実際に駐車場へ施工した土間コンクリートの写真をご紹介していきます。
自宅の駐車場へ、土間コンクリートを施工する際のイメージとして活用してください。
エフルージュ FIRST 600タイプ 2台用
車2台を並列駐車可能な、フラット屋根仕様のカーポートです。
直線的なデザインはモダンな住宅はもちろん、シンプルなデザインの住宅にも非常によく似合います。
また、オプションでサイドパネルや物干しもが追加できる点も見逃せません。
山口県宇部市の施工事例
芝生が敷かれたお庭に、土間コンクリートとカーポートが施工されている事例です。
シンプルなカーポートの形状と、モダンな土間コンクリートが相まって、非常にスタイリッシュな印象を与えてくれます。
黒で統一されたカーポートと住宅の白を基調とした外壁との対比も美しい事例です。
アリュース 600タイプ 縦連棟セット(2台用)
車2台が縦列駐車できるカーポートです。
敷地の都合上、車2台の並列駐車が難しい場合におすすめのカーポートです。
片側支持タイプなので、駐車場への出入りが非常にスムーズに行える点も強みでしょう。
広島県東広島市の施工事例
車2台の縦列駐車が可能なカーポートを、駐車場+玄関へのアプローチに活用した事例です。
同時に土間コンクリートの施工も行い、一体感のある仕上がりが実現しました。
駐車場へのアプローチにカーポートを用いることで、雨の日でも慌てることなく車に乗り込めるようになっている点は見逃せないポイントです。
カーポートSC
アルミ材で構成された屋根材と、片側支柱が特徴的なカーポートです。
非常にシンプルかつミニマルなデザインが評価され、デザインアワード4冠とグッドデザイン賞を受賞しています。
洋風やモダンなデザインの住宅には非常によく似合うので、ぜひ設置を検討していただきたいカーポートの1つです。
岐阜県岐阜市の施工事例
土間コンクリートとカーポートの施工を同時に行った事例です。
直線的なデザインの屋根とフラットな土間コンクリートにより、圧迫感のない仕上がりになっています。
黒一色のカーポートの屋根が、エクステリアの印象を引き締め、住宅全体に落ち着いた印象を付け加えています。
カーポートSC 1台用 木調色
車が1台駐車可能なカーポートです。
最大の特徴は、木目調のカラーを持つ天井面です。
天然木が持つ1つ1つの微妙な違いまで再現した、トップクラスのデザイン性は唯一無二の存在です。
高知県南国市の施工事例
シックな住宅と木目のカーポートが非常にマッチした施工事例です。
雨どいを柱の内部に収納し、外見は非常にシンプルに作られたカーポートSCによって、どこから見ても隙のないデザインに仕上がっています。
また、駐車場の地面もコンクリートが施工されておりますので、長期に渡って美しいエクステリアが楽しめます。
ネスカR (ラウンドスタイル) ワイド
優美な弧を描いた屋根が特徴的なカーポートです。
曲線を利用して作られた柔らかなデザインは、エクステリア全体に上品な印象を与えてくれます。
屋根材や柱材などは、幅広いラインナップの中から選べるため、オリジナリティにこだわるなら、おすすめのエクスポートです。
佐賀県鳥栖市の施工事例
土間コンクリートとカーポートの施工を同時に行った事例です。
柔らかな印象のカーポートと、直線的なデザインの土間コンクリートの対比により、非常にバランスの取れたエクステリアに仕上がっています。
カーポートの屋根には、熱戦吸収ポリカーボネートで屋根がつくられているので、夏の暑い日でも過度に土間コンクリートが熱くなりすぎないような配慮がされているのが特徴でしょう。
土間コンクリートを費用に注意しながら取り入れよう!
土間コンクリートを施工することで、駐車場がすっきりとした印象になるうえに、メンテナンス面でもメリットが生まれます。
特に、駐車場に雑草が生えやすい環境である場合は、早めに土間コンクリートを施工することをおすすめします。
しかし、同時に土間コンクリートの施工は費用も発生します。
砂利敷きなどに比べると、土間コンクリートの方が多くの費用が必要となります。
そのため、新築や外構工事のタイミングに合わせて土間コンクリートを施工する場合は、必要な費用を多めに見積もっておくなど、対策を練っておきましょう。
途中で小石の追加必要となる砂利敷きなどと比べると、土間コンクリートの施工に必要な費用は決して多くはありません。
今回ご紹介した実例を参考に、ぜひ土間コンクリートの施工をご検討ください。