玄関ドアのカバー工法とは?1日で終わる仕組みとはつり工法との違いを解説
【更新日】2026年08月12日
玄関ドアの交換を調べていると、必ず出てくるのが「カバー工法」という言葉です。
1日で工事が終わると説明されることが多く、本当にそんな短時間で済むのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、カバー工法がどのような工事なのか、なぜ短期間で終わるのかを解説します。
あわせて、もう1つの工法である「はつり工法」との違いや、補助金の金額がどう変わるのかも比較します。
どちらの工法になるかで費用も工期も変わりますので、順に確認していきましょう。
玄関ドアのカバー工法とは
まずは、カバー工法がどのような工事なのかを整理します。
既存の枠を残して新しい枠をかぶせる工法
カバー工法は、今ある玄関ドアの枠を壁に残したまま、その上から新しい枠を取り付ける工法です。
「カバー」という名前のとおり、既存の枠を新しい枠で覆う形になります。
取り外すのは扉本体と、枠の一部だけです。
壁に固定されている枠の本体はそのまま残すため、壁を壊す必要がありません。
これが工期の短さにつながっています。
なぜ1日で終わるのか
玄関ドアの交換で時間がかかるのは、壁の解体と補修の工程です。
枠を壁ごと取り外すと、周囲のタイルやモルタルを壊すことになり、その補修に時間がかかります。
補修材が乾くまでの養生期間も必要です。
カバー工法では、この解体と補修の工程がありません。
既存の枠に新しい枠をかぶせて固定し、扉を取り付ければ完了します。
そのため、多くのケースで1日のうちに工事が終わります。
工事中も玄関を閉められる
1日で終わるということは、玄関が開けっ放しになる時間が短いということでもあります。
1日の作業のうちに新しいドアが取り付けられるため、その日の夜には鍵をかけて過ごせます。
数日にわたって玄関が使えない状態になると、防犯面でも生活面でも不安が生じます。
住みながらリフォームを進めやすい点は、カバー工法の大きな利点といえるでしょう。
はつり工法との違い
玄関ドアの交換には、カバー工法のほかに「はつり工法」があります。
両者の違いを整理しましょう。
はつり工法は枠ごと撤去する
はつり工法は、既存のドア枠を壁ごと撤去して、新しい枠を設置する工法です。
「はつり」とはコンクリートやモルタルを削り取る作業を指します。
枠を完全に取り除くため、開口部の寸法をそのまま活かせます。
一方で、壁の解体と補修が必要になり、工期は長くなります。
2つの工法の比較
| 項目 | カバー工法 | はつり工法 |
|---|---|---|
| 既存の枠 | 残す | 撤去する |
| 壁の解体・補修 | 不要 | 必要 |
| 工期 | 1日程度 | 数日 |
| 開口部の寸法 | やや小さくなる | ほぼ変わらない |
| 補助金(戸建) | 高く設定されている | カバー工法より低い |
どちらになるかは既存の状態で決まる
工法は自由に選べるものではありません。
既存のドア枠の状態や住宅の構造によって、適した方法が決まります。
たとえば、既存の枠が腐食して強度が落ちている場合は、その上に新しい枠を固定してもしっかり支えられません。
また、開口部の寸法に余裕がない場合や、枠の形状が特殊な場合も、カバー工法が使えないことがあります。
現地を確認しなければ判断できませんので、まずは調査を依頼するところから始めるとよいでしょう。
カバー工法のメリット
工事の負担が少ない
壁を壊さないため、騒音やほこりが抑えられます。
近隣への影響も小さく、住宅密集地でも取り組みやすい工法です。
作業中に家を空ける必要もありません。
費用を抑えやすい
壁の解体と補修の工程がない分、工事費を抑えられます。
タイルやモルタルの補修が必要になると、材料費と手間が加わりますので、その差は小さくありません。
補助金が高く設定されている
意外と知られていないのが、補助金の金額です。
2026年度の「先進的窓リノベ2026事業」では、戸建住宅の場合、カバー工法のほうが高い補助額に設定されています。
| 性能区分・サイズ | カバー工法 | はつり工法 | 差額 |
|---|---|---|---|
| P(SS)・特大 | 239,000円 | 194,000円 | 45,000円 |
| S・大 | 124,000円 | 92,000円 | 32,000円 |
| S・中 | 92,000円 | 68,000円 | 24,000円 |
| A・中 | 66,000円 | 48,000円 | 18,000円 |
出典:対象工事の詳細【ドア交換(カバー工法)】/【ドア交換(はつり工法)】
つまり、工事費が安いうえに補助額も大きいという関係になります。
なお、集合住宅の場合は両工法とも同じ補助額が設定されています。
差があるのは戸建住宅の場合です。
カバー工法の注意点
利点の多いカバー工法ですが、知っておきたい点もあります。
開口部がわずかに小さくなる
既存の枠の内側に新しい枠を納めるため、開口部の寸法はわずかに小さくなります。
日常の出入りで支障を感じることは少ないものの、大きな家具や家電を搬入する際には影響する可能性があります。
将来的に大型の家具を入れる予定がある場合は、工事後の開口寸法を確認しておくとよいでしょう。
気になる場合は、見積もりの段階で寸法を教えてもらうことをおすすめします。
既存の枠の状態に左右される
カバー工法は既存の枠を活かす工法ですので、その枠が健全であることが前提になります。
腐食が進んでいる場合や、変形している場合は採用できません。
見た目では判断しにくいこともありますので、現地調査で確認してもらいましょう。
玄関ドアだけの交換では補助金が使えない
補助金を検討している場合、必ず知っておきたい条件があります。
公式サイトには次のように記載されています。
「ドア交換(ドアに対する内窓設置を含む)」については、他の窓の工事と同一の契約であり、同時に申請する場合のみ、本事業の補助対象となります
つまり、玄関ドアだけを交換しても補助金は受けられません。
内窓の設置やガラス交換といった窓の工事とセットで、同じ契約のもとに実施する必要があります。
また、既存のドアの数を超える交換は対象外とされています。
補助金の詳細については【2026年度】玄関ドアリフォームで使える補助金|カバー工法なら最大23.9万円で解説しています。
カバー工法に対応した玄関ドアと施工事例
ここからは、カバー工法に対応した玄関ドアと施工事例をご紹介します。
リシェント玄関ドア3 断熱K2仕様(LIXIL)
LIXILのリシェント玄関ドア3のうち、断熱グレードの高いK2仕様です。
カバー工法での施工を前提に設計されたシリーズで、既存の枠に合わせて納められます。
寒冷地や、玄関の冷え込みが気になる住宅で選ばれています。
千葉県市川市の施工事例
D41型の断熱K2仕様を、片袖仕様で設置した事例です。
片袖仕様は扉の横に固定された採光部を設けたタイプで、玄関内に光を取り込めます。
既存の開口部を活かしながら、玄関の印象を大きく変えられる好例といえるでしょう。
三重県四日市市の施工事例
C16N型のアルミ仕様を片開き仕様で設置した事例です。
断熱仕様ではなくアルミ仕様を選ぶことで、費用を抑えるという選択肢もあります。
ただし補助金を活用する場合は、断熱性能が金額に直結する点を踏まえて検討するとよいでしょう。
リシェント玄関ドア3 断熱K4仕様(LIXIL)
同じリシェント玄関ドア3の断熱K4仕様です。
K2仕様より断熱グレードは控えめですが、価格を抑えやすい仕様といえます。
温暖な地域にお住まいの場合の選択肢になるでしょう。
神奈川県藤沢市の施工事例
G14型の断熱K4仕様を親子仕様で設置した事例です。
親子仕様は大小2枚の扉を組み合わせたタイプで、必要なときには両方を開いて大きな開口を確保できます。
カバー工法で開口部がわずかに小さくなることが気になる場合、親子仕様を選ぶという考え方もあるでしょう。
ドアリモ 断熱ドア(YKK AP)
YKK APのカバー工法に対応した玄関ドアです。
アルミ色と木目調のバリエーションがあり、住宅の外観に合わせて選べます。
玄関ドアの商品一覧は玄関ドアリフォームのページからご覧いただけます。
まとめ|工期・費用・補助額のいずれもカバー工法に利点があります
カバー工法は、既存のドア枠を残したまま新しい枠をかぶせる工法です。
壁の解体と補修が不要なため、多くの場合1日で工事が完了します。
騒音やほこりが少なく、住みながらのリフォームに向いている点も利点でしょう。
費用面でも、壁の補修が不要な分だけ抑えられます。
さらに2026年度の補助金では、戸建住宅の場合にカバー工法のほうが高い金額が設定されており、はつり工法との差は条件によって18,000円から45,000円ほどになります。
一方、開口部がわずかに小さくなる点と、既存の枠の状態によっては採用できない点には注意が必要です。
また、補助金を使う場合は、窓の工事と同一契約で同時に申請しなければならないという条件があります。
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実際に現地を確認することで、工法を含めた具体的なご提案が可能です。
ぜひ短い工期で玄関の印象と快適さを一新させてください。
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