【更新日】2024年06月25日
令和4年度に全国の地方自治体が受理した騒音に関する苦情は、20,436件にも上ります。
騒音の原因は建設作業が1位となっており、次いで工場・事業場、営業、家庭生活が続きます。
都道府県別の苦情件数を見てみると、東京都や大阪府など大都市圏から多くあがっていることがわかります。
自宅は本来リラックスできる場所なので、騒音によって静かな環境が破られてしまうのは大きな苦痛です。
そこでおすすめしたいのが、窓を二重にした防音対策。
リフォームの工事規模としては大きなものではありませんが、適切な二重窓を取り付けることで、外部から室内に侵入してくる騒音を大きく減らせる効果があります。
この記事では防音対策におすすめのリフォームである二重窓の解説と、おすすめの商品をご紹介していきます。
これから家を新築する人や、現在進行形で騒音に悩まされている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
二重窓が防音におすすめの理由
自宅の防音を考えた場合に二重窓がおすすめの理由は、最もコストパフォーマンスが良い対策方法だからです。
騒音の原因となる音は空気を振動させて伝わるものと、物体を振動させて伝わるものの2種類があります。
そして、騒音の主な原因となる工事の音や店舗の営業音、自動車のクラクションなどは全て空気を振動させて伝わる音です。
窓は家屋の外壁に比べると薄いため、音を伝えやすい性質を持っています。
そのため、外部から屋内に入ってくる音の大半が窓からによるもの。
つまり自宅の防音を考えた場合、もっとも効率的なのは窓への対策になります。
二重窓をつけると防音効果が高まる理由
窓を二重にすることで防音効果が高まる理由は、2つのガラスに挟まれた空気の層が防音材の役割を果たしてくれるからです。
たとえば、空間を伝わってきた音は外側の窓ガラスを振動させて侵入し、次いで中間の空気の層で何度か反射し、最終的に内側のガラスを振動させて室内に届きます。
二重窓では中間の空気の層がクッションの役割を果たし、外部から侵入してきた音の振動を吸収してくれます。
二重窓は、つい窓ガラスの種類に注目してしまいますが、実は中間の空気の層をどの程度確保するかも重要です。
二重窓の防音以外の効果
窓を二重にすることは防音以外にも、自宅にさまざまなメリットを与えてくれます。
どのような効果があるのか、順番に解説していきます。
断熱性能が上がる
2つの窓に挟まれた空気の層は、防音材であると同時に断熱材の役割も果たします。
窓ガラスが2つあることで室内の空気が外部に触れづらく、室温の変化が起こりにくくなるからです。
断熱性能の向上により、室内側の結露を大幅に減らすことができます。
また、内側の窓のサッシをアルミではなく樹脂製のものにすれば、さらに断熱性能の向上が期待できます。
電気代の節約ができる
断熱性能の向上により室温が変化しづらくなると、冷暖房設備の使用頻度を減らし、電気代の節約が期待できます。
音と同様に、室温が逃げてしまう原因も窓によるもの。
カーテンなどで対策は行えますが、二重窓にすれば一気に断熱性能が向上します。
頻繁に冷暖房設備を使わなくても過ごせるため、1年を通じて快適に過ごせる空間になることでしょう。
防犯効果が期待できる
窓が二重になっていることで、防犯効果が期待できます。
窓が二重になっているということは、不審者にとって侵入するための手間が2倍になることだからです。
手間が増えれば発見されるリスクも高まるため、不審者からの侵入先候補としては選ばれづらくなることでしょう。
さらに防犯効果を高めたい場合は、取り付けるガラスを防犯対策用のものにするのがおすすめです。
防音対策のための二重窓の選び方
防音対策のために窓を二重する場合、いくつかの選び方があります。
どのようなポイントに注意して選ぶべきか、解説していきます。
ガラスの種類が選べる
二重窓に使うガラスの選び方で、防音性能が変わってきます。
なぜならガラスには数多くの種類があり、それぞれ得意分野が異なるからです。
たとえば2枚のガラスが一緒になったペアガラスは、ガラス同士の間の空気が熱を伝えにくいため断熱材の役割を果たしてくれます。
しかし、音を遮断する性能は高くないため、防音目的でのペアガラスの購入はおすすめできません。
ガラス選びは、予算と性能のバランスを考えながら慎重に検討する必要があります。
プロに依頼する場合は、防音と結露だけはしっかりと対策しておきたいなどの、目的と予算を伝えれば対応してもらえます。
エクスショップでもお困りの場合は、無料で現地まで出張したうえで見積もり対応を行っています。
二重窓のガラスのことで疑問点があれば、お気軽にお問い合わせください。
サッシの種類が選べる
防音対策として二重窓を選ぶ場合は、サッシ選びも非常に重要です。
なぜなら、外部からの聞こえてくる音は窓から飛び込んでくるのと同様に、サッシの隙間からも漏れ聞こえてくるからです。
一般的な住宅に使われているアルミサッシは、隙間があるため、完全に音の侵入を防ぐことは困難です。
防音対策を徹底する場合は樹脂製のサッシにすれば、窓とのすき間を減らし外部の音が室内に侵入してくるのを防げます。
二重窓が取り付けられない窓もある
窓の種類によっては、二重窓が取り付けられない場合があります。
内側に少し窓が倒れて開くタイプや、回転させて開くタイプの窓は二重窓を取り付けられません。
二重窓にすることで、開閉自体が不可能になってしまうからです。
クーラーや換気扇が窓に付いているものも、二重窓にはできません。
リビングの窓が全て二重窓になったとしても、一か所だけ普通の窓があれば騒音はそこから侵入してきます。
そのため、どのような窓なら二重窓が取り付けられるのか、知っておくことが大切です。
防音対策におすすめの二重窓5選
防音対策におすすめの二重窓を5つご紹介します。
施工後の写真も掲載するので、ぜひ自宅に取り付けたところをイメージしてください。
インプラス
今の窓に、簡単に後付け可能な内窓がインプラスです。
後付けの内窓ですが、シンプルなデザインなので室内の雰囲気を損ねません。
また、カラー展開もウッディな色だけではなく、ホワイトや黒っぽいショコラーデGなどが選べるのも見逃せません。
施工例
既存の窓へ2枚建の引違い窓を取り付けた施工例です。
窓の雰囲気を生かしつつ、明るい色のニュートラルウッドGを選んだことにより、室内の印象がより一層明るいものに。
窓枠も含めて、統一感のある仕上がりになっています。
プラマードU
大規模な工事をせずに、取り付け可能な内窓がプラマードUです。
1つの窓に対して約60分で取り付けられるので、工事の際も家族の生活リズムを崩しません。
また、防音以外にも結露を防ぎ、窓枠のカビや腐食を防いでくれる効果も期待できます。
施工例
シンプルな窓へプラマードUを取り付けた施工例です。
壁面と内側の窓枠の色を合わせることで、後から取り付けたことを感じさせません。
プラマードUは通常のガラスの他に複層ガラスや防犯ガラスなども選べるため、防音以外の効果を高めたい際にもおすすめです。
プラメイクEII
現在の窓枠に、そのまま内窓用のパーツを取り付けていくだけで完成するのがプラメイクEIIの強みです。
窓枠は樹脂製なのでアルミ製のものと比べると、防音や断熱効果に優れます。
木目が際立つカラーも用意されているので、ナチュラルテイストな家屋へおすすめの二重窓です。
施工例
広い開口部のリビングへの施工例です。
開口部が広ければ、明るく解放感のある室内になる一方で、音や熱の出入りも増えてしまいます。
内窓を取りけることで、解放感を維持したまま騒音や結露に対する悩みを減らせます。
LiteU
非常にシンプルかつスタイリッシュな内窓です。
窓枠自体が薄く作られているので、通常の内窓よりも圧迫感が生まれづらいのが特徴です。
そのため、室内のイメージを変えることなく、二重窓の取り付けが可能になります。
施工例
LiteUの特徴を生かして、すっきりとした仕上がりの施工例です。
ホワイトの窓枠が室内の雰囲気にマッチしており、二重窓にも関わらずスマートな印象を与えてくれます。
また、LiteUのシンプルなデザインが窓のイメージを引き締まったものにしています。
インプラス 浴室仕様
浴室に特化した仕様のインプラスです。
脱衣所と浴室の温度差によるヒートショックを防ぐために、高い断熱効果を持っています。
また、入浴中のプライバシーを守る構造も特徴です。
施工例
道路に面した家屋への施工例です。
入浴中でも車やバイクの音がするため、二重窓の施工を行いました。
音が響きやすい浴室でも騒音を減らし、断熱効果も向上しています。
まとめ
問題となる騒音の多くは空気を振動させて伝わってくるため、自宅の窓を二重にすることで解決できるケースがあります。
二重窓には防音の他にも断熱性能や防犯効果などがあるため、メリットの多いリフォームです。
エクスショップではメールや電話でのご相談の他に全国の現場に無料で訪問し、調査やリフォームの見積りをお引き受けしています。
実際に現場を訪問し、どのような二重窓がおすすめなのかプロの目線からのご提案も可能です。
そのため、気になっている騒音に対して、どのような二重窓が有効なのか迷っている場合は、ぜひエクスショップにお問合せください。